2014年07月27-28日 |
南アルプス 北 岳 (標高 3,193m) |
動画はこちらからご覧になれます ⇒ 北 岳 Movie 夜叉神峠から広河原へ入る道路が崩落で通行止めになっていたので仕方なく遠回りして奈良田から広河原に入った。 この日は生憎前線が通過中で朝から強風に吹かれたり、3時間ほど雨に降られたりしたが何とか夏山気分を楽しむことができた。 今回は星空写真を撮影するため重い機材を担いで行ったのだが、一晩中強風が止まず寒さと風のため狙った写真が撮れなかったのが心残だ。 |
途中撮影などでタイムロスが有ります・・参考程度に
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07:00 広河原 前日の夜車で奈良田に入り仮眠して朝一番の広河原行のバスに乗り込んだ。夜叉神峠ルートが通行止めで奈良田を利用する人が多いかと覚悟していたが、登山者は意外と少なくバスも混まずに済んだ。 7:00に広河原に到着、ここで準備を済ませ野呂川の吊橋を渡ると朝日の当たっている格好のベンチがあった。今日は時間的には余裕があるので近くにあるロッジで熱いコーヒーを買いそれを飲みながら山の朝の清々しい雰囲気を満喫した。 だが・・時折森を揺らせて吹き渡る強風が気になる。 |
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07:30 大樺沢 ブナ林を抜け大樺沢に入り二俣を目指す。 気持ち良い清流に沿って続く登山道には可憐な花が咲いている。この時期特に目についたのは、絶滅危惧種に指定されているミヤマハナシノブだ。 花の宝庫と言われている白馬岳でもなかなか見つからなくなった花だが、ここでは登山道脇のあちこちに咲いていた。 花を楽しみながら登っていくと途中で黒ぶちの眼鏡をかけた見覚えのある男性が花の写真を撮っていた。BSで放映された日本百名山「北岳」のガイドをされた方だった。挨拶をして一緒に写真を撮らせてもらい途中までご一緒させて戴いた。途中で初めて見る白い花があったので名前を聞いてみたが・・不明とのこと。 |
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気になったので写真を撮り後で高山植物に詳しい知人に調べてもらったら「コリンゴの花だった。 コリンゴの花 ミヤマハナシノブ 10:50 二股に到着 暫く登ると雪渓が見えてきて二俣分岐に着いた。 この頃から雲が出て山頂付近は強風でガスが撒き少し荒れてきたようだ。 |
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12:00 右俣ルートを登る 雨になる前にと少し早い昼食を摂る。 食べ終って一服しているうちにガスが下りて来て霧雨になってしまった。 雨具を出し撮影機材を雨対策してパッキングし直して登山を再開する。 右俣ルートを30分程登ると更にガスが濃くなり雨が本降りになった。それに加えて登山道は傾斜を増して苦しい登りが続く。 1時間程登ったところでパートナーの足がおかしくなり、キスリングを二つ背負うはめになった。 スローペースで休み休み登りお花畑に着くころには雨が上がってきた。景色も見え、少し元気も出たので小太郎尾根分岐まで一気に登った。 |
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15:00 小太郎尾根分岐 小太郎尾根の分岐に出ると風が更に強まった。ガスは切れて展望が広がり、数年前に縦走した鳳凰三山が目の前に姿を見せた。地蔵岳のオベリスクも肉眼で確認できる。 甲斐駒方面に続いている小太郎尾根を雲が凄い早さで越えて行くのでカメラを取り出して30分程微速度撮影をしてみた。 ・・動かないでいると強風が体温を奪っていくのでハイマツの陰に入り風をよけ撮影が終わるのを待つ。 ここから肩ノ小屋まではピークを一つ越えるだけなので急ぐことは無い。写真を撮りながらゆっくり登る。 |
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16:10 北岳肩の小屋 稜線は風が強く寒かった、途中に咲いていたチョウノスケソウも風で揺れて思うように撮れなかったが、雨上がりの景色はすばらしかった。 肩の小屋に着き濡れた荷物を乾かしてから夕暮れの写真を撮りに行く。 千丈ケ岳の肩に夕陽が落ちて行く頃、反対側の青い帳の中に薄っらと富士山が浮かんでいた。 宿泊客は少なく、50人程が眠れる広い部屋に5人程、北アルプスの山小屋と比べるとウソの様だが、夏山の最盛期でこの程度ならゆっくり眠れて有難い。 消灯時間になったが、寝る前に準備してきた星空の撮影に出る。この日は新月で星空の撮影には絶好の条件だったが、まだ強風が吹いていて凄く寒い。 三脚を固定して撮影を始めたが、強い風のためブレが出て長時間露光は無理の様だ。 仕方なく感度を上げてカメラを手で押さえながら短時間で撮影してお茶を濁した。(残念!!) |
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04:50 日の出(肩の小屋テント場より) 4:30に起き朝焼けの写真を撮るため外に出てみると、日の出前の青い雲海が一面に広がっていた。 まだ強い風が残っていて稜線では不安定のため、風陰になるテント場までカメラと三脚を担いで下る。 04:50 東の空が赤みがかると鳳凰山の方向から朝日が顔を出した。 日が昇るに連れ鳳凰山の山頂に光が当たりその周辺の雲海が赤く染まった。 この日は大気の水分が多かったのか鮮烈な日の出では無かったが、雲海に浮かぶ富士山や北岳が柔らかな色に染まっていた。 ← 写真は朝焼けの北岳、 |
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07:00 北岳山頂に向かう 朝食を済ませてから肩の小屋滑を後に山頂に向かう。 朝の光の中を景色を楽しみながら登って行くと、右手から後ろにかけて千丈ゲ岳〜甲斐駒ケ岳の雄大な展望が開けていた。北アルプスの様な厳しさは無いが、雄大で穏やかな山並みがゆったりとした女性的なイメージを感じさせる。 07:30 北岳山頂 30分程登ると北岳山頂に到着した。 山頂に立つと間ノ岳から農鳥岳方面の稜線が一望でき、直下には北岳山荘も見えている。広々とした山頂付近には既に10人程の登山者がいて360度拡がる大パノラマを楽しんでいた。 |
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09:30 北岳山頂から下山 山頂で小一時間ほど過ごした後、下山にかかる。 予定では、山頂経由で間ノ岳まで往復し北岳山荘にもう一泊して八本場のコルから大樺沢左俣を下る計画だったが、昨日無理をした足の調子がよくないと言うので今回は間ノ岳を諦めここで下山することにした。 ルートは小太郎尾根分岐から白根御池小屋を経由するルートに変更した。 |
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お花畑付近 登山は登りより下りの方が足への負担が大きい。 予想していた通りお花畑を過ぎた頃から足に痛みが出たようで極端にペースが落ちた。 歩けなる前にと、登りと同様にパートナーのキスリングを自分のザックに縛り付けてボッカの様な格好で急傾斜の登山道を下った。 12:10/13:10 白根御池小屋(昼食) お花畑を抜けて急傾斜の登山道を白根御池小屋まで下る。 ここでゆっくり昼食を摂り大休止するが、山小屋の粗末な食事の後だったので本格的な山菜そばが美味かった。 ここからは森林の中の急傾斜を下る登山道で、二つ背負ったザックのバランスに気を付けながら黙々と下り大樺沢分岐に着いた。 15:10 広河原 |
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