2007年01月20日
北丹沢 蛭ケ岳 (1,770m
      写真は「スライドショー」でご覧下さい

 2007年の初山行として、丹沢最高峰の蛭ケ岳1673m)へ行ってきました。山頂で一泊して真冬の山頂の日の出を撮影するのが狙いだったのですが、前夜の天気予報では”天気は下り坂で21日には雨も降る”という予報だったため、蛭ケ岳は諦め、日帰りで近くの山に足慣らしに行く予定でいました。 ・・しかし翌日、朝の天気予報を見ると、前日の予報は外れて天気は持ちそうな状況に変わったため、急いで泊まる支度をして出発しましたが・・時間は既に10:00を過ぎていました。また何時ものノンビリスタートになってしまいました。


【行程】

 宮ケ瀬〜ヤビツ峠へ、途中の塩水橋に駐車(10:50)
 塩水橋〜天王寺尾根〜丹沢山〜不動の峰〜相沢の頭〜鬼が岩〜蛭ケ岳


【コースデーター】
 途中写真撮影などの休憩時間が多いので・・・参考程度に
 
到着/出発 標 高
塩水橋  11:10 365m
堂平分岐 13:00 1000m
丹沢山
14:20/15:10 1,567m
不動の峰 16:00 1614m
棚沢の頭 16:40 1600m
鬼が岩 17:30 1608m
蛭ケ岳 18:40 1,673m


     丹沢山から不動の峰方面の尾根道
 宮ケ瀬からヤビツ峠への林道に入ると”工事中”の看板が出ていて通過しようとしたら工事会社の人が飛び出してきて車を止められてしまった 。”ヤバイな〜通行止めかな?”と思いつつ状況を聞くと、どうやら塩水橋までは行けるようである。・・工事の人の ”気をつけて行って下さいね!”の優しい声と、厳つい顔とのギャップに思わずニンマリ。 塩水橋には既に10台位が駐車していて殆ど空きがない。ゲート近くに何とかスペースを見つけて無理やり駐車する。 やはり遅い出発は何かと祟るな〜・・・

11:10 準備を済ませ塩水橋を出発
 舗装された林道から天王寺尾根まで一気に登る。 南側斜面のため春のようなポカポカ陽気だ。 尾根を淡々と登っていくと日陰に残雪が目立ってくる。 標高が1000mを越えるあたりから尾根全体が雪で覆われてきて日陰には30cm以上の雪がある。 堂平分岐付近12:30になり、陽だまりでお昼にする。 お湯を沸かし、暖かいカップヌードルとオニギリでゆっくり腹ごしらえをしていたため、丹沢山の山頂に着いたのは14:00を回っていた。

丹沢山から不動の峰へ向かう
 ミヤマ山荘でも話し込んでしまいノンビリ休憩してしまった。 ・・この時間からだと到着するのは暗くなるかもしれないので・・念のため蛭ケ岳山荘に電話を入れておく。 ミヤマ山荘のオネエサンに ”今夜は月夜だから月夜の尾根歩きもイイカモ!”なんて冗談を言われながら出発した。

15:10 丹沢山から蛭ケ岳へ歩き出す 

 既に太陽は前方に見える不動の峰の上まで傾いていた。 薄くモヤッた夕日だが、不動の峰への稜ををオレンジ色に染めてそれなりに美しい
 

         樹氷(不動の峰付近)
 ポイント毎に夕暮れの写真を撮影していたため、不動の峰に着く頃には日はすっかり沈み青黒い帳が下りてきたようだ。 気温も急激にが下がり雪が締まってきた。枯れ木についている樹氷がいっそう寒さを感じさせようだ。 

 自然に足取りも早くなったが、夜の訪れは早く、あっという目に暗くなり、後ろから月明かりがさしている。 ・・冗談が本当になってしまったが、薄い月明かりに浮かび上がった雪の稜線は、なんとも言えない不思議な雰囲気を味あわせてくれる。
 難所の鬼が岩の鎖場では、雪は完全に凍り付いていて一寸緊張する。 鞍部が真暗で見えず垂直の崖が実際以上に深く感じられる。  

       朝日に染まる「蛭ケ岳山荘」
 鬼が岩の鞍部に下り、登り返したところが蛭ケ岳山頂である。
積雪が増えてきたが、絞まってきた雪にアイゼンがしっかり利き歩きやすくい。 一歩々高度を上げていくと、突然山荘の明かりが目に飛び込んできた。犬が大きな声で鳴いて到着を管理人さんに知らせているようだ。
 蛭ケ岳山荘では 5人の宿泊客と、管理人さんとワンちゃんが待っていてくれた。鬼が岩辺りからヘッドランプの光がチラチラ見えていたので、心配していてくれたようだ。 ストーブで暖をとらせてもらいながら皆さんと雑談でもりあがったが、管理人さんは昨年の冬に姫次でお会いした方で話が弾み楽しいひと時を過ごした。

 翌朝
6:00に起き出しカメラと三脚を担いで山頂に行く。山頂は 360°の展望がある。 気温は氷点下8度、ピリッと張り詰めた空気感があり気持ちがいい。だが期待したほど大気は澄みきっておらず、薄っすらとモヤがかかっているようだ。 しかも、赤く染まり始めた東の空には厚めの雲が出ていて水平線に近くの太陽は顔を見せてくれそうに無い。  結局ご来光が拝めたのは、日がだいぶ高く上ってからだったが、それでも冬の山頂の雰囲気は何とかカメラに収めることができた。 

鬼が岩から望む富士
 後ろに聳えている富士は、モヤで薄っすらと霞んでいたが、ほんの一瞬だけ霞が晴れピンクに染まった姿を見せてくれた。・・ちょっと期待外れだった。来年もう一度挑戦するしかないか
 山荘に戻りゆっくり朝飯を頂く。 新潟から来た4人パーティーの方はユーシンに下るとのことで、ノンビリしている我々に挨拶して早々に出発して行った。

鬼が岩 (上部の岩が鬼の角に見える)
9:00に山荘を出発

 ピストンで来た道を折り返す。
朝の張り詰めた空気の中を歩くのはやはり爽快だ。 締まって快適な雪道を踏みしめて、山頂から鬼が岩の鞍部まで一気に下る。 昨夜は少しばかり緊張した鎖場だが、凍結してはいるが下から見上げると然程ではなさそうだ。 設置されている鎖で確保しながら慎重に登る。 中段から見上げると、最上部の尖った岩が鬼の角のように見えている。「鬼が岩」という名前の由来だそうだ。  
 鬼が岩の頂からの展望はなかなかのものだ。 
今下ってきたばかりの蛭ケ岳の稜線に続き、山頂の「蛭ケ岳山荘」がはっきり見えている。 その後ろには富士山の秀麗な姿が浮かんでいる。

棚沢の頭の西側稜線
鬼が岩から棚沢の頭へは、積雪の多い尾根を少し登り返す。
棚沢の頭はユーシンへ下る分岐で、先行した新潟のパーティーは多分ここから下っていったのだろう。 このあたりは昔、見事なブナ林だったそうだが、今はブナは涸れてしまい山頂付近に僅かに残っているブナの枯れ木が昔を忍ばせている。
 日もだいぶ高くなり、快適な尾根歩きが続く。不動の峰を過ぎると、木のない笹原の稜線の向こうに丹沢山が見えてくる。もう一つ鞍部を越えて登り返せば丹沢山だ。
 途中にある景色の良い休憩所を横目でみながら通過し鞍部まで下ると、今日最後の登りが待っている。
 汗をかきながら登っていくと途中で若い女の子とすれ違った。ニコッとあいさつしたが、タイツにショートバンツ姿で走るように駆け下りて行った。
 登り切ったあたりで振り返ると、先ほどの女の子はもう休憩所との半分手前あたりまで登っている。 しばらく見ていたが、なんと登りも走っているようである。 すごいパワーだな〜、”若いって素晴らしいな〜!”・・なんて感動しながらつい見とれてしまった。

・・・昔(学生の頃)、山小屋のアルバイトをしていたとき、重い荷物を背負子で担いで表銀座を大天井まで、あんなふうに走って往復したこともあったな・・・・・。
10:50 丹沢山の山頂に戻る

 予定ではここでお昼を食べてから下山するつもりだったが、まだ少し早い為、休憩だけして下ってしまうことにする。 
雪化粧のブナ林の綺麗な景色を堪能し、天王寺尾根を一気に下った。

14:20 塩水橋に到着

車まで戻ると、安心したのかお腹が空いてきてしまい軽くお昼を食べた。
時間もたっぷりあるので、何時も寄る「やすらぎの湯」まで回り道をして温泉に入ってから帰宅した。