2006年08月17日
後立山連峰 爺ヶ岳(2,670m)
 爺ケ岳の全容

 8月16日〜17日、盆の帰省の際に爺ケ岳〜鹿島槍を目指して登山。 今回はテント泊でアルプスの夜景・朝焼けなどの写真をじっくり撮影するつもりだったのだが・・・・
 前日の安曇野は夕方から快晴となり夏ではなかなか見られないような澄み渡った星空が広がっていた。 当日の朝も快晴、狙っていたアルプスの山塊と星空の写真も期待できそうだったが・・・。

【行程】
 実家(安曇野市)→扇沢登山口→爺ケ岳→扇沢→安曇野市→(中央高速)→相模湖IC→自宅

 
写真は 「スライドショー」でご覧下さい


【データー(参考)】
到着/出発 標 高
扇沢登山口 8:00 1,350m
水平道ベンチ 10:40/11:00 2,100m
雪 渓 11:30 2,280m
種池山荘 12:00/12:30 2,446m
爺ケ岳 14:00 2,670m

 途中写真撮影などでタイムロスが多いので・・・参考程度に 

【一日目】 

 前日の安曇野は夕方から快晴となり、夏ではなかなか見られないような澄み渡った星空が広がった。(写真)

朝7時、車で実家を出発、扇沢を目指す。 今日も安曇野は快晴、正面には爺ケ岳と鹿島槍が夏のアルプスらしく穏やかな姿を見せている。 この天気なら狙っていたアルプスの山塊と星空の写真も期待できそうだ!

8:00 扇沢  

 既に無料駐車場は満杯状態、やむなく道路脇の空きスペースに停める。 殆どの車は夜明け前に到着しているだろうから、この時間ではやむをえないか・・。  準備を済ませ、左に扇沢の清流を見ながら柏原新道に入る。樹林の木陰はヒンヤリと冷たい空気が満ちていてとても気持ちがいい。 

 良く整備されているが、急な上りが続く登山道を一時間ほど登ると、針ノ木雪渓が見えてくる。 その最上部には真っ青な空をバックに針ノ木岳がそびえている。稜線にそって右に視線をずらしていくと、種池山荘の赤い屋根も見える・・・稜線まではまだまだ高度を稼がなくてはいけないようだ・

 水平道を越えたあたりから、稜線にガスが掛かり始めた。 雪渓に辿りつく頃には周囲はすっかり雲の中で、ヒンヤリと寒ささえ感じてくる。

この辺りで標高は2280m程になる。 雪渓の脇の急斜面には、アカハナシモツケなどの高原の花がお花畑を形作っていて標高の高さを感じさせる。(写真)
 最後の急な岩場を登ると草原が広がり森林限界を越える。そして草原の中に造られた木の階段を登るとガスの切れ間に、真っ青な空を背景にした種池山荘が見えてくる。 草原にはチングルマやミヤマオミナエシなどの可憐な花が咲乱れていて険しい登山道から一変、まるで別世界のようだ。

12:00 種池山荘に到着

 ガスの切れ間に見える青空は澄み切っていて、肌を刺すような紫外線の強い日差しで相当暑いが、ガスがかかってくると一転して肌寒くなる・・夏の稜線らしい天気だ。 ここで大休止し、外のベンチで稜線を眺めながらゆっくりお昼を食べる。水は、山荘の売店で1リットルで100円か150円で売ってもらえるので、カップヌードルをつくり、残りはボトルに補給する。
 山荘で約1時間ほど休憩し爺ケ岳に向かう。
この頃になると稜線はガスで覆われ視界が悪い。おまけにガスが濃い場所では雨が交ってきて写真を撮影するつもりだったのだが、それどころではない!!。
 その代わり雷鳥達は、霧が濃くなって天敵の心配が無くなったようで一斉に姿をみせてくれた。 しかも我々のすぐ足元近くまで子供を連れてやってくる。天然記念物に指定されているため人がいたずらしない事を知っているようだ。
 おかげで、18-70mmの標準レンズでも、左の写真のようにアップで撮ることができた。 

 爺ケ岳山頂へは緩やかな尾根道から外れガレた岩場をを登る。登りきるとそこが南峰の山頂である。 雲が濃くなり薄暗くなリ始めたので、手早く証拠写真を撮り北峰へ向かう。
 一旦巻き道まで下り、更に進むと北峰との鞍部に出る。東斜面にはまだ雪渓が残っているが落石で汚れていて注意して見ないと雪とは分からない。 

 反対の西斜面は花崗岩の砂地が広がっていてコマクサがまだ咲いている。 ロープで立ち入りを規制しているところを見ると、この辺はコマクサの群生地になっているようだ。コマクサは10年以上の歳月を耐え、ようやく花を咲かせるのだが人が立ち入ると簡単に環境が荒れ、風で小さな苗が飛ばされてしまうそうである。 可憐な花の写真を撮ろうと踏み込んでしまう人もいるようだが、くれぐれも注意して欲しい。
 北峰を登り始めた頃、雨が急に強くなってきた。 このガスと雨では山頂まで行く価値なしと判断し来た道を種池山荘まで引き返した。

15:00 種池山荘テント場に戻る
 湿気の多いガスが谷間から吹き上げている。 写真のチングルマの綿毛にも水滴がタップリ付いて光っている。
 山荘でテント場の申し込みをして、夕食と朝食をお願いする。テント場は山荘から3分ほど離れた場所にあり、木立で囲われ谷から吹き上げてくる風の影響は全く無い。 既に2張のテントが設営されていたが我々も奥からつめた場所に設営した。 山荘の話では先週まではこのテント場も満杯だったようだが、盆休みも終わってしまった今日は少ないそうである。

 夕方、天気も悪く風も強くなってきたので、山荘で食事をしてテントの戻り、早々に寝てしまった。
 外は相変わらず谷からの風と雨交じりのガスに覆われていたが、明け方には雷が鳴り目が覚めてしまった。
 
【二日目】

 朝食の時間になり起きだしたが、期待していた天気はパッとしない・・。
朝食後、小屋で台風情報と天気予報を確認するが、どうやら下り坂のようだ
仕方なくテントに荷物を置いてカメラと三脚を担ぎ爺ケ岳への稜線まで行ってみた。 途中、お花畑の中に雷鳥の親子を見つけ写真を撮影する。 子供はチングルマの花畑の中をチョコチョコ動き回りながら餌を探している。それを親鳥が高みから見守り天敵を警戒をしているようだ。

 山荘に戻ると、昨日登りでご一緒した同年輩の「岐阜のご夫婦」と再会した。
昨晩は、鹿島槍を目指そうと冷池山荘に泊まったが天気が悪く引き返してきたとのことである。・・しばし、お茶を飲みながら雑談・・。  
 その後我々はテントを撤収し下山の準備に掛かる。

 柏原林道を淡々と下り扇沢に着いたのが 15:00少し前。下界はやはり夏、暑い・・!。 早速高瀬川に下り、清流で汗ばんだ体を拭く。 生き返ったような爽快な気分だ。
 下りてきた稜線を振り返ると稜線だけにガスが取り付いていて、他は青空が広がっていた。・・このところ連続してこんな状況が続いていて良い写真が撮れない!
   ・・次回(来月)の山行に期待するか・・・  




【アドバイス】
 このコースは北アルプスの入門コースと言われており、鎖場やハシゴなどの危険な場所もなく比較的易しいコースです。 
 柏原林道はとても良く整備されていますが、稜線までの距離があるためマイペースを守って登るのが肝心かと思います。 また夏場の稜線は日差しが強いため、防暑対策」をしっかりして下さい。 この日も長時間強い日差しに当たり熱中症で気分が悪くなっている人がいました。