2004年09月24日
北アルプス 燕 岳(2,763m)
燕岳より槍ケ岳

 中房温泉から北アルプス屈指と言われる急坂ルートを登り、 燕岳まで一足早い紅葉を見に行ってきました。写真は300mm+テレコンの望遠レンズで撮影、望遠の圧縮効果で槍ヶ岳がすぐ後ろにそびえて見えます。
 
【行程】 
【1日目】中房温泉駐車場(9:30)〜合戦小屋(13:00)〜燕山荘(15:00)
【2日目】燕山荘(8:00)〜燕岳(8:45)〜燕山荘(11:00)〜合戦小屋〜中房温泉(14:30)

 


【コースデーター】
 途中写真撮影などの休憩時間が多いので・・・参考程度に
 
到着/出発 標 高
中房温泉  9:30 1394m
合戦小屋 13:00/13:40 2380m
合戦の頭 14:10 2489m
燕山荘 15:00 2704m
燕岳 燕山荘から40分 2762m

 
 合戦尾根登山道  ナナカマドの紅葉
 実家で朝食を済ませ、車で中房温泉に向かう。
中房温泉の駐車場は、川を渡って左に下りたところに約50台ほどのスペースがある。
 ここで準備を済ませ、9:30分に出発。
 今回は一泊で写真撮影が目的のため、何時もに較べザックが重く肩に食い込む。
気合が入りすぎて撮影機材だけで10Kgを超えてしまった。 駐車場から登山道入り口までの坂でこの調子だと先が思いやられる。 
・・・”バテなければいいが!”・・仲間の手前顔には出せないが・・少しばかり不安になる?

合戦の頭より
【北アルプス屈指の急登を登る】 9:30

 宿泊予定の燕山荘までは、登山口より距離5.5km 標高差1303m、標準タイムは約4時間である。 ジグザグの急登で、合戦小屋まで第一ベンチ(水場有り)・第二ベンチ・第三ベンチ・富士見ベンチと30分毎に休憩ベンチがありマイペースで標高を上げていけるコースだ。
 登山道に入るとすぐ急坂になる、この坂が合戦小屋まで続くと思うと少しうんざりだ。 
場所によっては両手で岩や木を掴みながら登るほどの急登坂で、20分も登るともう息があがってくる。 さすがに”北アルプス三大急登”と言われているだけのことはある・・・!! 
重いザックも祟っているな〜・・・ブツブツ!!
【合戦小屋】 13:00
 途中で写真を撮影しながら登りを重ね、13:00 ようやく合戦小屋に到着。
小屋の前にあるナナカマドは鮮やかな黄色に染まり真っ赤な実をつけていた。今年初めて見る紅葉である。
 丁度この頃からガスガ谷間から這い登ってきて雨も降りはじめた。
雨宿りも兼ねて小屋の中に逃げ込み、ゆっくり食事をする。
 40分ほど休憩、雨は上がりそうもないため、雨支度をして合戦小屋を出発した。
雨の中、霧に霞む紅葉を撮影しながら登っていくと、途中から少し明るくなってきた。
尾根道から上を見ると、燕岳と燕山荘が霧の合間に見えている。・・しかしここからまだ1時間は登らなければならない。

 合戦の頭と有明山
【合戦の頭 2485m】

更に高度を上げていくと、雲の上に出たのかようやく雨があがった。
下を振り返ると、今まで雲の中だった「合戦の頭」が雲の間から顔を出している(左の写真)

 ガスがかかった紅葉の尾根は幻想的で素晴らしい。
・・その向こうに見えているのは有明山である。
この幻想的なイメージを切り取ろうと、三脚を出し30ショットほど撮影する。

夕闇迫る燕岳
【燕山荘 到着 2680m】 15:00
 カメラをザックに仕舞い込み再び登る。 滑落すると数百メートルもそのまま落ちていきそうな、砂地の急斜面をトラバースすると、燕山荘直下のキャンプ場に着く。そこから急な階段を登るとそこに燕山荘が建っている。
 早速、宿泊の手続きをし、雨で濡れたものを乾燥室に干す。 そして黄昏のアルプスを撮影にと出かけたが、また雨が降り始めてしまい早々に撤退する。
・・・・夕暮れの稜線の写真を狙っていたのだが残念だ。
山小屋に戻り、夕食までの時間をビールを飲みゆっくりくつろぐ。
 夕食後には、燕山荘二代目のオーナーである赤沼氏のホルン演奏や、登山の話を聞いて楽しい時間を過ごす。 窓から見下ろすと、雲海の中で稲妻が光っている。・・明日の天気が気にかかる。

表銀座の稜線と槍

    雲海の下は高瀬川渓谷               燕岳からの燕山荘    

槍をバックに
【ご来光】

 翌朝、御来光と朝焼けのシーンを撮るため暗いうちに起き出す・・・しかし窓の外は雨が強く降っているようだ。 ”ついてないな〜!”と嘆きつつ・・・もう一度布団に潜り込んだ。
 1時間ほど眠った頃か? 周りがガヤガヤとさわがしくなり皆が起き出した気配。 どうやら雨が上がったらしい。 早速三脚とカメラバックを担いで外に飛び出す。 先程までの雨が嘘のように晴れ、穂高連峰から槍ヶ岳などの名峰が朝日に輝き、雲の上に浮かび上がっていた。 

 ”これだから山の天気は分からない!”と喜びつつ、1時間ほど撮影を楽しむ。

燕岳
【燕岳山頂へ】

 小屋に戻り食事を済ませてから、燕岳〜北燕岳に向け出発。
重いザックは燕山荘に預け、撮影機材だけ小さいザックに詰め込み、朝日の当たる気持ちの良い登山道を登る。尾根道は砂利のため雨の影響は全くない。
途中、イルカの形をした岩、烏帽子の形の岩などが奇岩が林立する場所を抜ける。
 この辺は、7月末頃コマクサが一斉に開花し、お花畑になっていたはずである。

 早くから登頂していた人達がもう下山してくる。 この先に雷鳥が居たそうで、すぐ近くで見られたとのこと・・早速望遠レンズに付け替え先を急ぐ。・・・しかし残念ながら雷鳥君には会えずじまいだった。
 
     北燕岳          燕岳
 最後の登りには木の階段があり、ここを登りきるとそこが山頂である。
山頂では雷鳥の代わりにと、岩ひばりが出迎えてくれた。 (写真 下)
北の稜線を見ると北燕岳が素晴らしい景観を見せている。反対側の高瀬渓谷はガスで下まで見えなかったが、渓谷へ落ちる谷は紅葉が始まり色付き始めていた。
しばらく景観を楽しんでいると、山頂を目指し登山者が次々と登ってきている。

山頂を譲るため我々も下山する。
  
  【下山】  燕山荘11:00発 中房温泉14:30着
  
 山頂から40分程で燕山荘に到着、預けてあったザックとお弁当をもらって下山する。途中、合戦小屋でお昼を戴いたが燕山荘でくれたお弁当は最高に美味かった。
 もち米の山菜の炊き込みご飯と梅干が笹の葉に包んであり、山歩きにはとてもいいと感じた。
合戦小屋からは一気に中房温泉の駐車場真で下る。
 途中の急坂でスリップして転倒しそうになった。 このときだと思うが、肩からぶら下げていたカメラからマグニファイアーが外れ落としてしまった。・・・まあレンズが壊れなくて良かったか!

 駐車場に着いたのが14:30。 時間も早かったので一般客が入れる町営有明荘でゆっくり温泉に浸かっていく。 既に下山してきた登山者数人が温泉に浸かっていて、山の話が弾んだ。